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従来の国際協力とリンキングは何が違う?

先進国と途上国の間の国際協力では、これまで、活動の前提として専門的知識をもった人たちが中心的な役割を担う考えが暗黙のうちにありました。市民は彼らの活動を理解し、側面から応援すればよいとの考えがありました。国際協力は「技術を持った専門の医者が途上国という患者を治す」という関係で、特別なスキルを持たない一般市民にとっては距離を感じる世界でした。

国際協力を技術や専門性を中心に考えると頂点に政府機関の行う国際協力活動あります。そして次に、独自の専門性を持つNGOがあって、その土台を支えるのが市民の役割であるという図式でした。その市民の途上国への理解を進めるために「開発教育」(地球市民教育とも呼ばれる)が必要だと考えられていました。

リンキングはこれまで国際協力と違う理念に基づいています。リンキングでは技術よりも、むしろ途上国との市民同士の活発な交流やコミュニケーションそのものに価値があると考えます。リンキングで大切なのは「技術ではなくて共感」「専門家ではなく一般の市民」「現場は海外と国内」です。

なぜリンキングでそれが重要なのかといえば、市民同士のコミュニケーションを通じて、途上国の人々とわれわれと相互理解と信頼関係が深まり、その中から自ずとお互いが抱えている問題の理解が進み、解決の糸口やそのためのリソースが見出されると考えるからです。最新の機具の並んだ病院で医者が患者を治すのがこれまでの国際協力であれば、リンキングは国境や世代を超えた人たちが湯治場で世間話をしながらお互いの経験をシェアし、理解し癒しあいながらお互いが元気になっていくといったイメージでしょうか?

リンキングでは、多様な立場の人たちが参画することで、先進国と途上国の双方の市民にとって問題の解決や物的・精神的な豊かさにつながると考えます。コミュニケーションとシェアする気持ちがそれを達成するためのカギです。

そうした活動は実は全国各地で行われています。学生や一般の市民が行っている草の根の多くの国際交流・協力活動もリンキングの一種といえます。それらは従来の国際協力の視点からすれば、初歩的なものであり、専門性の低い幼稚な活動ととらえられがちです。しかし、双方向のコミュニケーションを深めた草の根の活動はそれ自体に独自の価値と役割があります。市民の参画によるリンキング活動によって、グローバル化した21世紀にふさわしい市民パートナーシップによる新しい世界が生まれるのです。