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4b 戦略的計画とは何か

戦略的計画とは、長期的な目標と計画を立て、評価する方法です。計画を立てることによって共通の将来像を掲げてそれを実現し、その進展を評価することができます。

戦略的計画は、下記が必要です
・明確な綱領を持つ
・明確で達成可能な目標を持つ
・目標達成のための予定表を作り、進捗状況を見直す
・領域と優先順位を定める
・パートナーシップ契約の種類を確認する
・重要な問題や制約に注意しつつ、明確な予想を立てる
・最初から評価を組み込む
・おおよその予定表を作る
・財源や人的資源など、何が必要か確認する
・必要な人員配置や訓練を考慮に入れる

戦略的計画によって、共通の目的に向けての枠組み作りが可能となります。枠組みは、できるだけ多くの関係者がかかわるべき継続的な方法であり、計画と実行の段階で全員が自分は主役であると感じられるようにすることが肝心です。計画の段階でかかわる人が多ければ多いほど、その計画は効果的になるでしょう。この過程は計画そのものと同じくらい必要で価値のあるものです。

計画は枠組みであって制約ではありません。計画がパートナーシップの要望にあっていて柔軟性があるかどうかを確認するために、定期的に見直す必要があります。

計画のない目標は、単なる願望である。 ―― サンテグジュペリ


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リンキングを成功させるためには、他のプロジェクトや活動の場合と同様に、徹底的な準備と計画が必要です。リンクを作る初期の段階で興奮したり熱中したりしている時には計画の優先順位が低くなりがちです。リンクを開始し、メッセージを交換し、連絡を取ることが、活動の中心になってしまう傾向があります。

効果的なリンクを作り上げること、ましてや維持させていくことは容易なことではなく、計画を立てることは最初からきわめて重要です。計画を立てることは将来を準備することであり、そして全員が自分の役割を理解していることを確かめるものです。これらの活動の全ては、予定しているリンクの双方に必要です。

「戦略的計画」という言い回しは、お役所的で不快な感じを起こさせるかもしれませんが、それは単に、誰が、どこで、なぜ、何を、いつ、どうやって、やるのかを質問するのと同じことなのです。「私たちは何を達成したいか」「どのようにそれをするか」「誰が何をするか」というような質問なのです。

戦略はとるべき行動の手順を明確にします。その計画の過程で、パートナーの双方が相手の地域社会の要望と優先順位をよりよく理解できるようになり、リンクに対して同じ見解を持つようになれるでしょう。

戦略的計画を成功させるためにはいくつかの要素があります。責任感がなかったり、柔軟性がなかったり、予期せぬ出来事に適切に対応する能力がなかったりすると、問題が起きるかもしれません。当初から相手の地域社会を想定して取り掛かることが特に重要です。

計画を進めることと双方の地域社会における日々の現実との間に関連性がなければいけません。異なる地域社会には、それぞれ違ったやり方があるかもしれません。効果的なコミュニケーションや、広範囲にわたる協議、積極的参加によって、戦略が現実的であることを確かめることができます。戦略的計画で使われる多くのキーワード、「協力」「相談」「合意」「一貫性」「変化」は、リンキングのキーワードでもあります。協力や相談をすれば現実的な目標に到達でき、明確な優先順位をつけることができます。この過程は、手段を確認して割り当て、役割と責任を明確にすることに役立つでしょう。

この過程の経験を双方が本当に共有することができれば、次はほぼ確実に変化が必要になってくるでしょう。柔軟性は必要不可欠です。

リンクを持続させるためには、協力的なリーダーシップ、相手の地域社会における効果的運営、リンクとその目的の共有が必要であり、これらのことを広範囲に共有することが重要です。


リンキングに関してのさまざまな発言

物事が起きるとき、決定が下されるとき、方針が決められるとき、私たちはそこにいたいと思います。私たちは誠実な話し合いを望み、「ノー」ということは「イエス」というのと同じぐらい話し合いの多くの部分を占めているのです。 ―― ケニア ムサ・ジル

未来は私たちが向かっている場所ではなく、創り出している場所です。道を見つけるのではなく、作るのです。そのような道を作ることが、作り手と目的地の両方を変えます。
                      ―― アメリカ合衆国 ジョン・シャー

南(途上国)のパートナーと共同で検討課題を明確にして実行するのでなければ、そして彼らの開発と制度上の実態に合う時間枠に基づかない限り、従来の開発援助プログラムと同じ間違いを起こすでしょう。        ―― イタリア リカルド・トリグリア

明日は、今日それに備えて準備している人たちのものです。 ―― アフリカの格言

私たちはタンザニアにコンピューター技術をどのように導入するかについて楽観的過ぎる見方をしてきたようです。私たちは野心的すぎました。もしも基本的な基盤施設がまだそこに無いならば、友好関係を築こうとしてはいけません。  
                      ―― 英国 アリソン・ノリス

リンクが成功するためには、完全な理解と、独自の必要性査定と、協議に基づいて行なうことが重要です。小さく始めて、ひとつの団体の主要な要望に集中し、もしこれが成功したら他の分野に広げることができます。 
                 ―― 英国・熱帯保健教育リンキング・マニュアル

あまりに多くのことを始める人は、少しのことしか成し遂げられない。
                      ―― ドイツの格言

変更を認めない計画は悪い計画である     ―― シリア プリビウス・サイラス

努力と技術をもってして不可能なことはほとんどありません。偉大な仕事は、力によってではなく、粘り強さによって成されます。  ―― 英国 サミュエル・ジョンソン



計画に役立つ手段

リンクの計画を立てる時、あなた自身の地域社会の現状や環境を理解する必要があります。あなたの計画に役立つ手段や活動を以下に列挙します。

SWOT = 長所・短所・機会・脅威、STEP = 社会・技術・経済・政治 による分析:
(SWOT = Strengths, Weakness, Opportunities, Threats)
(STEP = Society, Technology, Economics, Politics)
各項目の下に関連性のある問題のリストを作り、戦略的な計画を立てるために役立てましょう。
それぞれの例はイタリック体で示しています

長所 : 助成を得られる
短所 : 貧弱な郵便システム
機会 : 熱心なチーム
脅威・難問 : 電力の不足
  社会 : 識字能力がある
技術 : コンピューターが使える
経済 : 雇用
政治 : 政府の安定性

STRIDE = 状況・目標・規制・考え・実行・評価 − による分析:
(STRIDE = Situation, Target, Restraints, Ideas, Do, Evaluate)
状況 : 現在の状況はどうか
目標 : 目標は何か
規制 : 進展を妨げている理由と規制は何か
考え : 実行可能な戦略のために必要不可欠な考えは何か
実行 : 誰が、いつ、何を確実に実行しなければならないか
評価 : 結果をどのように評価するか

SMART = 具体的・測定可能・達成可能・現実的・期限付−という目標も役に立ちます
(SMART = Specific, Measurable, Achievable, Realistic, Time-bound)
具体的 : 明確に記述され定義されている
測定可能: 測定の方法を明確に定める
達成可能: 現在の状況下で得られる技術によって達成できる
現実的 : 現在の知識で達成できる
期限付 : 現実的で周知の必要性に基づいた期日が定められている

英国WWFの提携観察の手法
この手法法は、相手といっしょに選んだ8つの基準によって団体間の提携関係を調べることに使われています。 提携関係がどの程度この基準に合っているかは、8本の座標軸から成るレーダーチャート(spider diagram) で表わされます。 リンクの現状がどの程度であると思うかを、あなたと提携相手が別々に8本の線上に点をつけ隣同士の線上の点を結んでチャートを完成させてください。 出来上がったチャートの形を比べると、両者の認識がどれほど違っているかに驚くかもしれません。

8つの基準例
・ 明確かつ合意された目標
・ 意思決定の透明性
・ 相互の尊重
・ 明確に同意し公表された役割と関係
・ 相互の信頼
・ 評価の結果から学び、対応しようとする意欲
・ 共通の価値観に従って行動する責任
・ 結果を評価するために双方が合意した指標
(中心点は0、1は非常に低い、10は非常に高いことを表わす)



計画の手段

簡単な指標を相互の合意によって定め、双方がリンクをモニターして評価できるようにします。

SWOT と STEP の分析により、好機および難問や困難な可能性のある領域を確認できます。

STRIDE を使って主要な一連の問題点を引き出し、新しい計画が現実的であるかどうかを確認することができます。

SMART の目標は、明確に特定でき測定可能な指標を出すことができるので、リンクをモニターして評価する助けになります。

英国WWFの提携観察手法を定期的に使うことによって、地域社会間の協議がリンクの中心になっていることを確かめられます。

パートナーシップ契約または覚書の必要性

私たち全員は以下のことに同意します
・ 覚書に書いてあることは、私たちが共に歩んだ相互理解の行程そのものでした。
・ 何年も前にこの過程をやっておくべきでした。
・ 私たちは沢山の誤解を抑え、お互いに関して膨大な量のことを学びました。
・ 私たちは覚書を生きた文書として使わなければならず、頻繁に再検討する必要があります。私たちはそのようにしてきて、時々それに助けられました。

全てのリンクは覚書を持たなければなりません。
    
     マールボロ=ガンジュール・リンク ニック・モーリス

注: パートナーシップ契約の作成については、4「リンクを始める」を参照のこと。


考えよう
リンクの両側の要望に合った戦略を持っているかどうかを考えよう。

もう一度よく考えよう
戦略計画の過程における包括性(社会のいかなる階層も排除しないこと)についてよく考えよう。

質問
戦略を持っているのは誰ですか?

チェックリスト
□ その戦略は覚書に書いてある目的に合っていますか?
□ それは両方の地域社会の状況を考慮に入れていますか?
□ それは差別的でなく全員が理解できるものですか?
□ 必要な財政的・人的・物質的資源は手に入りますか?
□ それは測定可能な成果をおさめ、言明した目的を実現できますか?
□ 進捗状況をモニターし測定することができますか?
□ その戦略は、評価することを当初から規定していますか?
□ 計画された予定表はわかりやすく、妥当で現実的で適切ですか?
□ あなたは対立、強制、障害が起きる可能性について考えたことがありますか?
□ いつ再検討しますか?
□ 役割と責任についてはっきりわかっていますか?
□ 提携の双方に、財務上の責任は含まれていますか?

次のステップ
戦略を考え始める良い方法は、単に「誰が」「どこで」「なぜ」「何を」「いつ」を自分自身に問うことです。

・3年から5年後にあなたはどこに居たいかを考えます。
・戦略の目的を達成するためには具体的にどのような行動が必要か考えます。
・目標と予定表のついた行動計画を書きます。
・いくつかのプロジェクトや活動がある場合は、各々の行動計画が必要です。

各々のプロジェクトや活動について、次のようなことが考えられます。
・目標  ・主な処置または仕事  ・指導と役割と責任  ・結果  ・期間  

これら全てのことには、効果的なコミュニケーション・システム、資源の影響を考慮した評価の過程、説明責任の手続きが必要です。